劇団わらび座　ミュージカル「小野小町」

強いからこそ美しい

陰謀と策略の中で生き抜いた平安の歌人・小野小町を、
脚本家・内館牧子が現代女性へのメッセージを込めて描く

“絶世の美女”としてのイメージを覆す！人気脚本家が描く小野小町　　　　　　　　　　
百人一首『花の色は　移りにけりないたづらに　わが身世にふる眺めせしまに』で知られる平安時代の歌人・小野小町。絶世の美女としても広く知られている彼女ですが、現在残されている彼女の絵は後ろ姿が大半を占め、美しさの真偽は分かっていません。
NHK連続テレビ小説や大河ドラマの脚本でも知られ、本ミュージカルの脚本を手がけた内館牧子は、京都の補陀落寺(ふだらくじ)で出会った一首『吾死なば　焼くな埋むな野にさらせ　痩せたる犬の腹肥やせ』という、多くの人たちが小野小町に持つイメージとは全く逆の歌から、小野小町の美しさは晩年の凛とした生き方からきていると考えました。
「強いからこそ美しい」という、現代にも通じるこの生き方を、ミュージカルを通して私たちに伝えます。

小野道風のいとこ・小野小町の、壮絶な人生を描くミュージカル
安時代の三蹟・小野道風のいとことしても知られる小野小町。小野道風生誕伝説のある春日井市では、毎年10月に開催される春日井まつりのメインイベントとして、市民参加型パレード『道風平安朝行列』が行われ、その中には小野小町も登場。春日井市民からも親しみを持たれています。
そんな小野小町の波乱に満ちた人生を描いたミュージカルを、脚本・内館牧子、出演・劇団わらび座がお届けします。

日本を代表するミュージカル劇団『わらび座』　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
劇団わらび座は、秋田を拠点に活動するミュージカル劇団です。その魅力は、伝統芸能や地方に伝わる民俗舞踊を取り入れた作品づくりにあります。彼らの作品は、和製ミュージカルと言っても過言ではありません。そんな劇団わらび座の作品からは、日本独特のリズム感や息吹が感じられ、とにかくパワフルです。
また、日本を代表する演出家や脚本家とのコラボレーションにより、現在の日本社会を強く意識した作品を生み出し続けているのも、劇団わらび座の特徴のひとつです。　常に新しいミュージカルを模索し続ける劇団わらび座が2007年に製作した作品が、『ミュージカル小野小町』です。初演で大好評だった本作。今回の公演は待望の再演となります。
尚、今回の再演では、春日井市を含む全国５都市（宮城県岩沼市、秋田県能代市、山梨県甲府市、東京都東大和市）を巡回します。
（助成：一般財団法人地域創造）

【あらすじ】
出羽国司・小野良(よし)実(ざね)と村長の娘・大町子(おおまちこ)の間に生まれた小野小町は、祖父母と母の愛に包まれて美しく育つ。「13歳になったら上洛せよ」との父の言葉通り、小町は母とともに京に上るが、都には正室の萩とその娘紅葉がいた。不慣れな京での暮らしの中、数々のいじめに遭うが、小町はひるむことなはなく、次々とみやびな都の文化を身に着けていく。
やがて、小町の美しさと和歌の才能は京中に知られるところとなる。17歳になり舞姫に選ばれた小町はついに仁明天皇の目に留まる。小町は、父良実や小野家にとってなくてはならない人間となり、萩と紅葉の心は穏やかではない。
仁明天皇の更衣となり、輝くばかりに美しく、さらに磨かれた和歌を詠む小町に、狂おしいほどの思いを寄せている男がいた。紅葉の夫、仁明天皇の皇子である「深(ふか)草(くさの)少将(しょうしょう)」であった。天皇の子を宿し、絶頂を極める小町を陰謀と策略が襲う。虚飾にまみれた世界に翻弄されながら、小町は「生きる」事の真実を見つけていく――。

［脚本］内館牧子
［出演］碓井涼子、丸山有子、安達和平

［演出］栗城宏
［作曲］深沢桂子
［振付］尚すみれ

［助成］一般財団法人地域創造

財団情報誌「FORUM PRESS vol.61」掲載
【強く凛々しく突き進む小町】
テキスト＝内館牧子
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