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【FORUM PRESSレポーター】 
「石井正則~Sound of Story~言葉と音楽で綴るコンサート」


FORUM PRESSレポーターによるイベントレポート。
2015/4/18(土)に開催された朗読ライブ「石井正則~Sound of Story~言葉と音楽で綴るコンサート」を、レポーターが紹介してくれました。Report95はFORUM PRESS vol.69からどうぞ(PDF:7.88MB)

Report96 「目の前には本の世界!石井朗読ワールド!」 野口 颯一朗(中学生レポーター)

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ…」。真っ暗なホールの中、一筋の光に照らされた石井正則さんが最初に朗読したのは、ご存知、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』です。しっとりと柔らかい石井さんの声は、賢治の思いをより味わい深く伝えてくれました。
朗読作品の中には、春日井の昔話もあり、住んでいてもなかなか知ることのできないような地域の伝承を聞く事ができました。
朗読の合間や前後には、元宝塚の渚あきさんの澄んだ歌声や“一人オーケストラ”山本愛香さんのピアノとパーカッションの演奏があり、タイトルにふさわしく、いつまでも飽きることのない公演でした。
また、即興朗読では、商工会議所便りをサスペンス風に読んだり、大吉のおみくじを3分クッキング風に読んだりして、会場を沸かせました。
笑いあり、感動あり、驚きあり…。読書が嫌いな人でも、本に親しみ楽しむことができる石井朗読ワールド。石井さん、これからも多くの人を本のとりこにしていってください!

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Report97 「表情豊かで生きている朗読」 のぐちりえ

芸人でもあり俳優でもある石井さん。ただ単に本を読み上げるだけの朗読会ではない。ピアノを弾きつつ他の打楽器をも操る一人オーケストラの山本愛香さんと、涼やかな歌声で華を添える渚あきさんが脇を固め、演出はもちろん、読む題材も、喜怒哀楽に富んだ生き生きとしたものばかりだった。
変調されたピアノ伴奏が不穏な空気を醸す中、鬼に残忍な仕打ちをする桃太郎を描いた芥川龍之介の新訳昔話『桃太郎』を、鬼気迫る勢いで読み上げたのが印象に残った。
また、春日井のむかし話を朗読したり、その場でお客さんから渡された「春日井商工会議所便り」を即興でサスペンスドラマ風に読んだりと、遊び心のある演出も良い。
他に宮沢賢治や海野十三、太宰治などの名著を表現豊かに朗読。「この朗読を聴いて、その本を読んでみようという気になって欲しい」という石井さんの思惑にまんまと嵌った気がする。図書館で借りて読んでみよう!

Report98 「さすがタレント 多彩な才能溢れる朗読ライブでした。」 伊藤弘子

石井正則さんは、『古畑任三郎』での何だか不思議な刑事役が印象的でした。その彼が朗読に挑戦するということで、どんな趣向になるのかと期待していました。共演は、ピアノやパーカッション等様々な楽器を操る山本愛香さんと、元宝塚の娘役・渚あきさん。演奏と歌にトークを混え、『雨ニモマケズ』で幕が開きました。芥川龍之介の『桃太郎』のユニークな解釈にはびっくり。昭和初期の作家、海野十三の『遊星植民説』は、ゴムホースを振って宇宙を思わせる神秘的な音を表現し、私たちをSFの世界へ誘ってくれます。
朗読というと少し地味な感じがしますが、こちらは音色も色彩も豊か。春日井の民話も取り上げ、観客の図書館貸出券やおみくじに、サスペンス調や三分クッキングのピアノ伴奏を被せ、巧みな声色で書いてある文章を読む試みは、想定外のおもしろさでした。
最後の太宰治作『葉桜と魔笛』では登場人物を見事に演じ分け、楽しく新しい朗読の世界を充分に味わわせてもらいました。

[2015/07/16|投稿者:スタッフ]