財団スタッフDIARY

2021年11月の記事一覧


【FORUM PRESSレポーター】生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会 ピアノ版


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2021年8月14日(土)、15日(日)に開催された
生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会 ピアノ版をレポート!

Report427【新たな音楽の世界へ】神戸菜々美

クラシック音楽と聞くと、堅苦しいイメージから敬遠してしまう人や、聴いても、「つまらない、退屈だ」と感じてしまう人もいるのではないでしょうか。そんなクラシック音楽への固定概念を覆すのが、「のだめカンタービレ」です。音大のピアノ科に通う主人公・野田恵と、指揮者志望の千秋真一が音楽を通じて成長していく様子を描いた漫画です。
のだめ音楽会生誕の地・春日井で初開催となるピアノ版。ベートーヴェンの「悲愴」や、ショパンの「幻想即興曲」、ドビュッシーの「喜びの島」など、物語に登場する曲目をピアノで演奏しながら、漫画のスライド投影も行われ、自然と「のだめの世界」に踏み入る事ができました。そして、不思議と音楽が楽しくなってくるのです。千秋が言ったこんな言葉があります。「今まで聴こえなかった音が、頭の中で鳴り響く―。音楽は無限である」。是非あなたも、新しい音を探してみてはいかがでしょう。

Report428【繊細さと力強さ】松葉栄子

公演前に降り続いた雨で足元が悪いにもかかわらず、お客様も多く、のだめファンの熱さを感じました。入口では愛嬌のよい、のだめのマスコットキャラクター「マングース」がお出迎え。音楽会は大型スクリーンに映し出される漫画「のだめカンタービレ」の名シーンや作曲者のプロフィール、曲にまつわる写真、絵画を交えながら進みます。曲の始まりには愛らしいお声のピアニスト・高橋多佳子さんの思いも語られるので、音楽を身近に感じられ、曲への感情移入がしやすかったです。繊細ながらも力強い演奏にピアノの魅力が会場中に溢れていました。ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」など、演奏された10曲すべてに全力で拍手を送りました。原作のシーンを再現した耳コピ演奏、コンクールでの間違い演奏にも拍手拍手です。「スクリーンの続きが知りたい!」と思うほどに、のだめカンタービレを浅くしか知らない私でも、その世界にどっぷり入れた音楽会でした。


【FORUM PRESSレポーター】ギャラリーライブ vol.3 柳下美恵のピアノ de シネマ


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、コロナ禍の影響で約半年延期され、2021年7月17日(土)に振替公演となった
ギャラリーライブ vol.3 柳下美恵のピアノ de シネマをレポート!

Report425【声はなくとも会話はできる】宮川あけみ

照明がだんだんと暗くなっていくなかで始まった「無声」映画。上映されたのは、世界三大喜劇王のひとり、バスター・キートンの2作品『探偵学入門』と『文化生活一週間』です。どちらも、ハラハラドキドキのアクションと、「えっ、どうなっているの?」と思わせる撮影技術が駆使されています。約100年前の作品ですが、古さを感じさせないおもしろいアイデアが満載。コロナ禍でマスクをしてなければ、会場は爆笑の渦だったでしょう。柳下美恵さんのピアノ即興演奏が無声の場面を盛り上げ、登場人物の心情、表情、しぐさに反応して変化する曲は、観客の心をグッとつかんで離しません。
『文化生活一週間』では、主人公夫婦の目で交わす台詞が聞こえるようでした。声を出しての会話に気を使う昨今、この映画を見て、目と目で通じ合う大切さを感じました。全身で会話するといえば大げさですが、キートンを見ていたら、「マスクなんてへっちゃら」と思えてきますよ。

Report426【古き良き映画の今風楽しみ方】みと満寿美

サイレント映画?さらにピアノの生演奏が付くと聞いて興味半分、期待半分でした。バスター・キートンの映画は初めてでしたが、いきなり、ビックリ!約100年前の映画で、CGもないはずなのに、「どうやって撮ったの?」の連続です。「探偵学入門」で、追っ手から逃げる主人公が走行中のバイクから放り出され、次の瞬間、なんと建物の中へ??コメディだけど、「えっ?すごいっ!」と、笑いより先に驚きでした。
また、柳下さんのピアノ演奏がとても効果的に、場面の雰囲気を後押ししてくれます。「何か大変なことが起こった!」とか、怪我をしても気づかずに演技を続けたキートンの体を張った演技も、重いものではなく、「まあ大変」と軽妙に見せてくれるのです。柳下さんが本当に、キートンの映画がお好きで、この映画をベストに見せようとする心意気をピアノの音色から感じました。映画の後には、本編中のトリックの解説もあり、とても充実した時間でした。