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【FORUM PRESSレポーター】「花形狂言2018 真夏の狂言大作戦!」


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2018年8月19日(日)に開催された、
【花形狂言2018 真夏の狂言大作戦!】を、3人がレポート!

180818_hanagata_「蝸牛」(c)上杉遥
(c)上杉遥

 

 Report323【狂言はたえず】 宮川あけみ

この夏も、ここ春日井に登場した狂言ユニット「HANAGATA」。どんな笑いを見せてくれるのか、大いに期待して席に。初めに、メンバーの茂山逸平さんから狂言とは “~のつもり” の積み重ねであるとの解説がありました。さらに、突っ込みどころがあっても突っ込まない(笑)、その場の想像をしてほしいとも言っていました。観客であるのと同時に舞台での景色の一部になる、そう感じました。演目は古典と新作合わせて5作品。そのなかでも、グッと身を乗り出して聞いたのは、新作「伝統はたえた」。奥義を教えるからと師匠に呼ばれた弟子。しかし、肝心の師匠は物忘れが進んでいる様子。繰り返す話にたまりかねた弟子が師匠の頭をポカッと叩く度にどんどん忘れ、遂には奥義も消えてしまうというオチでした。会話のテンポがよく、引き込まれました。そして、こちらも弟子の気持ちで師匠の言葉を待ち、ヤキモキする。この人間くさいオチが、狂言の面白さだと思いました。

 

 Report324【魅力いっぱいの花形狂言】 田本莞奈

古典から最新作まで披露された「花形狂言2018」。
全部で5演目でしたが、どの演目も他の演目のネタを取り入れて会場をもりあげていました。1つ目の演目は、古典の「蝸牛」。太郎冠者は、かたつむりを探しに、竹やぶへ行きます。すると、竹やぶにいた山伏が、自分がかたつむりだとうそをついて、はやし立てる演目です。プログラムにはかいてありませんでしたが、演目と演目の間に、少しの間、落語がありました。3つ目の演目は、最新作「すなの、しろ」。この演目では、春日井名物サボテンを使った謎かけもありました。目からビームをだしたり、ライトの色がかわったりするシーンもありました。最新作だからこそ、現代的なものを取り入れることができると思いました。
楽しかったです。

 

 Report325【花形狂言は奇想天外】 こじまみつこ

茂山逸平さんが初めに、狂言とは「オジサン達が大きな声で大げさに」「道具を使わずすべて言葉で表現」するものだと、冗談交じりに話されました。
古典の「蝸牛」。山伏が大きな声で自己紹介し、大げさな身振りで動き回ります。長寿の源・蝸牛を探す主と家来は、自分を蝸牛だと言う山伏に、ころっと騙されて「でーんでんむしむし」と皆で歌いだすのです。意外にわかりやすく、面白い!
最新作「すなの、しろ」。恋人の浮気に怒り狂った女が、突然アニメキャラクターの巨人に変身。ビームを発したり足で踏みつけたり、街を破壊しつくします。ハチャメチャな!と、思いながらも、アニメと狂言の世界観が上手くマッチしていました。恋人に許してもらいたい男は、「側転をしろ」「なぞかけをしろ」等、周りのものに無理難題を吹っ掛け、やりたい放題です。
満員の会場は拍手と笑いで溢れかえり、子供も年配の方も、茂山家ならではの狂言の世界に満悦していました。狂言って楽しいですね。