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【FORUM PRESSレポーター】昼コン チェロの七変化で彩る晩夏の昼下がり


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2022年9月3日(土)に開催された
昼コン チェロの七変化で彩る晩夏の昼下がりをレポート!


Report456 【チェロの音色にみせられて】川島寿美枝
秋の気配にのって、コンサートの季節がやってきました。まだまだ残暑厳しい中、交流アトリウムに用意された椅子は満席。チェロの佐古健一さんとピアノの原田綾子さんの昼コンは、初めましてのご挨拶がわりにカサドの『親愛なる言葉』から始まりました。
お二人は地元春日井市の出身。そのせいか、初共演とは思えないほど息の合った演奏です。秋景色が美しい中欧の作曲家たちの曲を中心に「故郷」や「椰子の実」の日本の楽曲も加わり、郷愁に誘われるプログラムでした。ステージの片側に大型スクリーンが設けられ、後ろの席の人もお二人の演奏の様子を見ることができます。佐古さんのチェロは、低音は優雅に、高音は軽やかにアップテンポで演奏。チェロの音域の広さに驚きました。
私の前の席にいた十歳ぐらいの少女が、原田さんのピアノタッチをくい入るように見ていました。ご自身もピアノを習っているのかなと思いました。楽しい一時間はあっという間でした。


Report457 【チェロの祈りに触れて】宮川あけみ
今回、演奏するチェリスト佐古健一さんとピアニスト原田綾子さんは、共に春日井出身。柔らかい表情を見せていたお二人ですが、演奏が始まると一転。音ひとつひとつに反応して表情が変化していきました。チェロの独奏になじみがなく、演奏曲もほとんど知らないので、どんな曲なのか楽しみでした。印象的だったのは、佐古さんが好きな曲として挙げたカザルス作曲の「鳥の歌」。この曲は、名チェリストといわれたカザルスの思い入れの深い作品と紹介されました。「Peace」、平和の願いをいつも口にしていた方だったそうです。なぜ、「鳥の歌」が平和の曲なのか。気になったので調べてみました。背景にスペイン内戦があり、平和の祈りを故郷カタロニアの民謡に託したようです。思いがけず、チェロの巨匠といわれる方の「鳥の歌」を聴くことができました。また、演奏者の気持ちや想いも知ることができ、一曲一曲がより深く心に届いたように感じます。