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【FORUM PRESSレポーター】 
「松竹大歌舞伎」


FORUM PRESSレポーターによるイベントレポート。
7/17(金)に開催された「松竹大歌舞伎」を、レポーターが紹介してくれました。


Report110 「ああ楽しかった 歌舞伎は庶民の娯楽」 伊藤弘子

 襲名披露+上方歌舞伎+親子三代の共演は、私にとって初めての取り合わせで、三倍楽しめる内容になっていました。『双蝶々曲輪日記 引窓』は、四代目中村鴈治郎演じる南与兵衛とその妻、母、罪を犯した義理の兄弟の思いが複雑に絡んだ世話物で、じっくり魅せます。
 『口上』では、お元気な坂田藤十郎の姿とハリのある声に驚きました。
一番楽しみにしていたのは『連獅子』です。歌舞伎に詳しくない者としては、あの派手な毛振りしか思いうかばなかったのですが、狂言師や旅僧の前段があることを今回初めて知りました。イヤホンガイドの解説が大変参考になりました。
 個人的には仔獅子役の中村虎之助のキレのある動きに、将来性を感じました。
 毎年の恒例行事になっている松竹大歌舞伎、今回もセミナーや歌舞伎弁当付き解説など、いろいろ趣向が凝らされていて、特に若い人が気軽に歌舞伎を楽しめる企画を、今後も続けてもらいたいと思いました。


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Report111 「念願かなって 初歌舞伎」 紀瑠美

 私にも面白さがわかるのかしらと不安もありましたが、存分に楽しめました。あらすじを頭に入れ、イヤホンガイドのイヤホンを片耳に入れ、いざ客席へ。
 四代目中村鴈治郎襲名披露公演ということで、一幕目は、成駒家のお家芸より『引窓』です。役者の生の声に私の耳が慣れていないのと、独特の言い回しに、セリフの聞き取りにくさはあったものの、役者の演技は素晴らしく、話も面白いので引き込まれました。家族の互いを思いやる心に感動しました。
 幕間にイヤホンで鴈治郎さんのインタビューと、口上についての解説を聴きました。
 二幕目『口上』は、正装した役者がずらりと並び、一人ずつ挨拶します。役者同士の間柄や公演にかける想いなどがわかりました。
 三幕目の『連獅子』は、親子の獅子を実際の親子が演じており、子を育てる親の気持ちがよく表現されていました。獅子が毛を振り回しながら踊る姿は美しく、笛や歌、三味線の音色も華やかでした。



Report112 「あちらの世界とこちらの世界」 大橋正枝

 歌舞伎役者は毎日、現代とあちら(舞台)の時代を行き来しているようなものだと聞いたことがあります。なるほど、歌舞伎からその時代の風景や、日本のルーツまでも垣間見ることができると思うと大変面白いのです。
『引き窓』では浄瑠璃、三味線が悲哀をかきたて、情の厚い日本人の魂を見た気がしました。
中村翫雀改め、四代目中村鴈治郎襲名披露の『口上』は 色とりどりの裃、かつらにまで家の決まりがあるとのこと。そのしきたりと礼儀を眺めながら、口上の途中でタイミングよく掛けられる大向うが、粋で気持ちがよかったです。あちらの世界(舞台上の時代)からこちらの世界(現代)への口上、聞いているだけで身が引き締まる思いでした。
最後の中村扇雀・虎之介親子で務める舞踊『連獅子』での、指先まで神経が通ったような所作は、美しくキレがいい。 息のあった唐獅子舞は子獅子を谷底に突き落とし、這い上がってくる我が子を心配する親獅子の如く、中村扇雀が我が子に厳しい稽古をつける様子を想像させてくれました。



Report113 「よっ! 成駒屋!」 前島恭子

歌舞伎ってこんなに面白いものだったの?!
『双蝶々曲輪日記 引窓』で描かれるのは、運命と義理と情愛の間で揺れる女二人。乱れる心は現代でも変わらない母の、そして女の心です。しんと胸に迫るものがありました。続くお披露目口上は、華やかな中にも格式高く、でもちょっとお茶目な口上もあって、遠い世界だと思っていた歌舞伎役者の方々が、ふと、近しく感じられて嬉しくなりました。トリを飾る『連獅子』は、二人の僧の狂言をはさんで、親子ならではの阿吽の呼吸の舞いに魅せられました。
 見せ場になると「成駒屋!」「音羽屋!」「山城屋!」……。大向うから声がかかります。そのかけ声がさらに舞台を盛り上げるのです。まさに舞台と観客がひとつになる一瞬。歌舞伎の醍醐味は舞台を観るだけでなく、こんな瞬間にもあるのでしょう。
敬遠していた伝統芸能・歌舞伎。言葉も言い回しも難しいけれど、いつか「よっ!成駒屋!」と声をかけられるようになりたいなぁ。



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