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【FORUM PRESSレポーター】キーウ・クラシック・バレエ「白鳥の湖」全2幕


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2022年9月10日(土)に開催された
キーウ・クラシック・バレエ「白鳥の湖」全2幕をレポート!


Report458 【白と黒の調和の美】松葉栄子
子どもたちでも飽きない上演時間でのバレエ公演。「シンプルになっているのかな?」と思っていましたが見応えは十分。ダンサーの方が男性も女性もまるでお人形のようです。音楽と一緒にダンサーの顔、首、腕、足の角度の揃う様は瞬きを忘れます。有名な「4羽の白鳥たちの踊り」は、それがはっきり出る振付ですが、さすがの美しさ!道化の北口さんのしなやかで高いジャンプに拍手!白鳥(オデット)の優雅さ、黒鳥(オディール)の妖艶さを1人で演じ分ける長澤さんの高い技術にも感動しました。舞踏会のシーンは、色々な国のダンスが披露されるので私のお気に入り。装飾の美しい衣装も見どころのひとつでした。
会場を出ると、子供たちが看板の前でバレエのポーズで写真を撮ったり、歩道でクルクルと回転しながら移動するなど興奮冷めやらぬ様子でした。厳しい情勢の中でのバレエ公演ですが、私も子供たちと同じように夢の世界に浸りました。


Report459 【万感こめたバレエ上演に惜しみない拍手】奥村啓子
トウの舞いと華麗でありながら激しさもある動作で物語を語り尽くすバレエの魅力に陶酔した2時間。セリフは一切無く、音楽と舞踊の世界。観る者は舞台や演者をひたすら追い、ここは何処?何が悲しい?何を語りかけてるの?…と想像力を精一杯働かせて見入ります。すべての言葉をバレエで表現し、真に観客に伝えるのは至難の業。芸術は私たちの魂を高めてくれます。魅せられた観客は、惜しみなく熱い拍手を送っていました。最後の幕が下り始めると、演者たちの情熱と安堵が、何故か体中に迫ってきました。そこにも言葉は無いのに。
「白鳥の湖」は悲劇で終わる演出もありますが、キーウ・クラシック・バレエは善が悪に勝つエンディング。ロシアからの攻撃にキーウの劇場は防空壕と化し、いくつかは攻撃で破壊されたと聞きます。日本公演に向け幾多の苦労を背負いながら活動するスタッフや踊り手たちの祖国とバレエ芸術への一途な情熱が溢れる上演でした。