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【FORUM PRESSレポーター】浅田政志写真展「Life Stories」&アーティストトーク


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2022年11月26日(土)~12月18日(日)に開催された
浅田政志写真展「Life Stories」&アーティストトークをレポート!



Report469 【写真の力】宮川あけみ

「家族写真」を取り上げた映画「浅田家!」でも注目される写真家・浅田政志さん。いたずらっ子のような笑顔を見せる方でした。
浅田さんが撮影した家族は、ここ春日井にもいます。撮影前に、家族の方と対話を重ね、イメージを膨らませて一緒に作り上げる。そうして出来上がった作品は、家族の想いや願い、喜びや悲しみが感じられて胸が熱くなりました。
ほかに、銭湯の浴場をほぼ真上から撮影したアングルで、蝶も一緒に写る不思議な世界のものが。初日のトークイベントで、開閉型ドーム屋根を持つ珍しい銭湯だったことや脚立からではなく、浅田さんが屋根の上から撮影したとお聞きしました。また、蝶はおじいちゃんの葬儀にも姿を見せており、今回おじいちゃんの姿も残したいとの思いから、この形になったそうです。
大切な1枚に写る様々な家族に会い、自分のこと、家族のことを静かに考える時間になりました。浅田さんの言う「写真の力」。強い。



Report470 【家族写真は蕎麦の味】高塚康弘

映画にもなった「浅田家」のなりきり写真は、家族構成の変化に伴って人数が増えます。今回、一人の視点から家族を捉えた「私の家族」も撮影されました。それぞれの設定や小道具から見えてくるのは日々の生活、時々の夢でしょうか。
初日のトークイベントにゆったりしたパーカー姿で登場した浅田さん。「一人で撮影、作品化できるのが写真の魅力のひとつ。でも、協力してくれる人がいないと一枚も撮れないのが僕の写真」とにこやかに話されました。「数十年後に見返される時が写真のゴール。自分の経験が反映され、その度に見え方が違う」とも。東日本大震災後に現地で写真洗浄し、持ち主に返却する活動をした経験から、プリント写真の大切さも語りかけました。
会場には被写体となった家族の姿もあり、どこか親戚の集まりのよう。その賑やかな子どもたちの声や蕎麦屋「三心」のお店の空気なども盛り込んで、今回の「私の家族」はできているのかも知れません。