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【FORUM PRESSレポーター】「生演奏と投影で綴る大作曲家の大傑作シリーズVol.2」


「FORUM PRESSレポーター」による「わたしレポート」。
市民ボランティアが、かすがい市民文化財団のアレコレを紹介します。

今回は、2017年5月21日(日)に開催された
『生演奏と投影で綴る大作曲家の大傑作シリーズVol.2』を4人がレポート!
FORUM PRESSvol.81にもレポートを掲載しています。コチラからPDFでお読みいただけます。

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@春日井市民会館(撮影:かすがい市民文化財団)

Report219  目からウロコ  中林由紀江

コンサートの始まる前は「ベートーヴェンって堅苦しそう」と、思っていました。しかし、その偏った私の考えは、1曲目から払拭されました。それどころか感動で鳥肌がたっていました。生涯で9つの交響曲を作ったこと。ナポレオンを崇拝していたこと。全然知らなかったベートーヴェンのことを教えてもらって、目からウロコが落ちたようでした。今回は全交響曲の触りだけを聴かせてもらいましたが、全曲を聴いてみたくなりました。また、それぞれの曲を作った時の様子を知って、アンコールの始まる頃にはすっかり熱狂的なファンになっていました。今まで何気なく聴いていた『歓喜の歌』は、生涯独身で耳も聞こえなくなっていた彼の「不遇の人生の中からの歓喜」を反映しているということを知り、今までとは全く違った曲に聴こえてきました。

Report220  これからはベートーヴェンも楽しめます \(^0^)/  林佳枝

初心者にはハードルが高くて敬遠してしまうもの。おもてなし料理、PC操作、クラシック音楽etc.もし難解な部分を噛み砕いて教えてくれる優しい先生が寄り添ってくれたなら…? きっと重い扉も徐々に開いてすてきな花園が見えてくるはず。さらに、得た知識は身について一生の宝になると感じました。(夢のような話でしょうか?)
茂木大輔さんの軽妙な解説とスクリーンに投影される資料で、ベートーヴェンが家庭人として意外に苦労人であること、彼の交響曲は第一番から第九番まで24年の歳月をかけて作られたこと、その時々の彼の思想や人生がちゃんと反映されていると知りました。ロマン派を先駆ける音楽的挑戦と、彼の音楽の品位の高さも印象に残りました。
茂木さんの指揮+名フィルの生演奏にうっとりしながらも、目・耳・頭はつねに総動員。最後にスクリーンに映画のようなエンドロールが流れて、この贅沢な演奏会を支える人々の熱い音楽愛を思いました。

Report221  「運命」〜苦悩を突き抜け、歓喜に至る〜  のぐちりえ
「突然降り掛かる絶望! 苦悩! 打ちのめされ、打ちひしがれる…そこへわずかな勝利への希望が顔を覗かせる。喜んだのもつかの間、希望ははかなく消え去ってゆく。再びわき立つ暗雲。そこには絶望、悲愴が重くのしかかる。しかし、ついに待ち望んだ勝利のファンファーレが高らかに響き渡って、運命は好転し歓喜へと至った!」
冒頭部分が非常に有名なベートヴェン作曲の交響曲第5番『運命』は、全曲を通して聴くと「音で聴く小説」になっているそうです。名フィルのすばらしい演奏とともに、茂木大輔先生がベートーヴェンの一生や時代背景、交響曲の特徴をおもしろおかしく解説してくださいました。「運命の動機=ダダダダーン」と「勝利への旋律=シードーレー」のメロディをひたすら散りばめて、この「運命」という交響曲が構成されているという解説にも驚きました。ただ音楽を聴いているだけでは知り得ない秀逸な知識を吸収できた有意義なコンサートでした。

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終演後のサイン会の様子(撮影:かすがい市民文化財団)

Report222  ダダダダーン……『運命』~生演奏と投影で綴る第2弾~  和田卓夫
「ダダダダーンの4つの音は何を指すのですか」「運命の動機と呼び、上昇する3つの音を希望の旋律として、そして勝利へと進んでいくのです」終演後のサイン会場で茂木大輔さんは、質問に答えてくれました。
ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』は4つの楽章で構成されています。演奏時間は35分。「暗から明へ」という構成をとり、激しい葛藤を描いた第一楽章から、瞑想的な第二楽章、第三楽章の不気味なスケルツォを経て、第四楽章で歓喜が解き放たれるように、勝利へ進んでいく壮大な曲の構成をとっています。ベートーヴェン自身の、耳を患うという苦悩を経て、歓喜に至る過程が反映されています。
「今日の演奏会の感想は?」と茂木さんに聞かれ「楽団の指揮から楽しいトークで会場も指揮する茂木大輔さんに驚きました」と申し上げたら、ありがとう!と言われました。