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2016年7月の記事一覧


【FORUM PRESSレポーター】オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ「吹奏楽フェスタ2016 in 春日井」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年6月4日(土)に開催された『吹奏楽フェスタ2016 in 春日井』のレポートです。
FORUM PRESSvol.75にもレポートを掲載しています。Report158はコチラからご覧ください。(PDF:3.92KB)

Report 159 「クールでオトナな吹奏楽と『アレクサンダー・テクニーク』」 マエジマキョウコ

高校生たちと先生方で、会場がいっぱい! それもそのはず、全日本吹奏楽コンクールの課題曲を実際に聴けるコンサートだったのです。
まずは、その課題曲を5曲。指揮者の小林恵子さんが、一曲ずつ丁寧に解説したうえで、陥りがちな演奏と模範演奏をしてくれます。素人の私にも明らかに洗練された演奏になるのがわかって納得。
続いて、ゲストのバジル・クリッツァーさんが『アレクサンダー・テクニーク』という呼吸法を教えてくれました。観客も、立って実践してみます。「目線を保つと身体が丸まらない」などの具体的な技法に心も身体もほぐれていくのが感じられました。
そして、吹奏楽の定番曲のスペシャルコンサート。フィナーレは楽器を持ってきた人がみんな舞台にあがって『宝島』を演奏。舞台をうめつくす楽器と演奏者は、演奏はもちろん、視覚的にも大迫力!! 楽器を持っていない私たちも手拍子で参加して、楽しいコンサートは幕となりました。
クールで有意義ですばらしいコンサートでした!

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Report 160 「ブラス+シンフォニック!」 川島寿美枝

会場に入ってびっくり。中高生の観客の熱気にあふれ、大人の私にとって、ちょっと場違いな肩身の狭さを感じました。今まで吹奏楽=行進曲というイメージを持っていました。しかし、コンサートを聴いて、交響曲と変わらぬ重厚感もあり、固定観念が吹きとばされてしまいました。第一部の課題曲コンサート。指揮者の小林恵子氏が課題曲を練習するにあたっての、取り組み方の解説を混じえて演奏。まわりの学生達は、最初の曲の出だしで驚きの喚声。「めちゃ速い」「迫力がすごい」などなどが耳に入ってきました。中高生のブラスバンドがこんな難しい曲を夏のコンクールに向けて練習をしていることを知り、ただ驚くばかりで、思わず心の中で皆にエールを送りました。小林氏のエネルギッシュな指揮ぶりと管楽の迫力、パーカッションのリズムの素晴らしさに、ただ酔いしれるばかりでした。

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【FORUM PRESSレポーター】「林家たい平 親子落語会」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年5月22日(日)に開催された『親子落語会』のレポートです。
FORUM PRESSvol.75にもレポートを掲載しています。Report151はコチラからご覧ください。(PDF:3.92KB)

Report152 「親子で笑っチャオ」 宮川あけみ

出囃子が流れる会場に入ると、多くの親子が始まりを待っていました。今回、高座に上がったのは林家たい平師匠。『笑点』でおなじみの方です。御自身も3児の父であり、各地で親子落語会を行っているとのこと。落語を共通の話題にして親子の会話を楽しんでほしい、親子で笑うツボが違うからさらに会話が生まれるとも話していました。
まず落語の世界を楽しむために、声色やしぐさで人物の違いを表すこと、扇子や手拭いの使い方などを教えてもらいました。このとき強調していたのは聞き手の想像力が大切だということです。
落語の演目は『初天神』。天神様にお参りに出かけた父と息子。物を買わない約束をした息子が、どうにかして買ってもらおうとおねだりをする掛け合いがおもしろい話です。会場が天神様のお祭りのような雰囲気になるほど、皆が引き込まれていました。親子で同じところで笑ったり、違うところで笑ったりする姿に、師匠が望む親子の会話が生まれるきっかけになるのではと思いました。

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Report153 「“落語”―キーワードは“想像力”!」 前島恭子

「落語は想像力を育てる」とたい平さんは言います。「生きてゆくのに一番大切なのは想像力だよ」と。
『親子落語会』は3部構成。1部はたい平さんが寄席や落語というものの紹介や演技のコツを判りやすく、面白く語りながら『みそ豆』を演じてくれました。
2部は『江戸太神楽』。傘の上でボールや湯呑みや枡を回したり、あごや額に椅子を立てたり、棒の上でお皿を回したり……。ナマで観るのは初めてで、ドキドキハラハラの連続でした。
そして3部は『親子落語会』なので子どもが出てくる噺『初天神』。小生意気な子どもと少しマヌケな親父さんとのやりとりは何度聴いてもお腹がよじれます。
平成の今、忘れていたゆったりと流れる時間を思い出しました。ありがとうございます。
「落語を聴くと元気になれるんだよ」「生きてゆくのに一番大切なものなのだよ」。たい平さんが真剣にくりかえし語りかけるのがとても印象に残った落語会でした。

Report154 「落語が生み出す、幸せワールド」 與後玲子

通常「親子○○会」というと会場は、ワイワイガヤガヤしているものですが、さすが人の話を聞くという落語ならではでしょうか、開演前の客席はとても静か。しかし、落語が始まると、子どもらしいはじける笑い声があふれました。楽しい時にゲラゲラ声を出して笑う事、それは、年齢を問わず、体の中に幸せ・健康エキスがめぐる事。噺家の話芸により、その情景が誰のものでもない唯一無二の想像というスクリーンに浮かび上がります。想像力の世界に年齢の垣根はなく、むしろ子どもの方が不必要な情報に惑わされず楽しむ力があると、たい平師匠はおっしゃいます。落語の登場人物は、なにかしら失敗や問題を抱えていますが、笑いという魔法の作用で、幸せな気持ちにさせてくれます。また、たい平師匠は、扇子と手ぬぐいのみの小道具で、すべてを表現するという「スゴ技」も披露してくださり、いつの間にか会場は、幸せのたい平ワールドに引き込まれていました。

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Report155 「子どもにもわかる落語の面白さ」 田中昭則
親子落語会、と聞いて正直なところ、ちょっと心配でした。はたして子どもたちに落語がウケるのだろうか、と。でも、蓋を開けてみれば、そんな心配は吹き飛んでしまいました。さすがは話術のプロ、噺家です。
マクラでは冗談を交えつつ、落語とは一体どんなものなのかを分かりやすく解説します。いつの間にか噺が始まり、笑わせるところでは子どもたちにもドッとウケていました。中には腹を抱えて笑う子もいるほど。その様子を見ていると、今時の子どもたちも、想像力のエンジンを働かせれば、ちゃんと笑いの勘どころを理解して笑うのだと感心しました。まさにたい平師匠の狙い通りの落語会でした。
いろものの太神楽は、古典的な大道芸で子どもたちだけでなく、親御さんたちにも新鮮だったようです。とにかく公演時間があっという間の、楽しい親子落語会でした。

Report156 「たい平さんの人柄にほっこり」 阪井真佐子

春日井市東部市民センターで公演された林家たい平の『親子落語会』。たい平さんの温和な人柄が終始話しぶりの中に滲み出ていた。この日は奇しくも人気TV番組『笑点』の歌丸ラスト大喜利スペシャルで5時半から生放送が予定されていた。レギュラーのたい平さんは、話の途中でそのことに触れ、「ヘリコプターでとんぼ返りする」などと言って笑わせていた。『笑点』をネタにしている時のたい平さん、妙に生き生きとしていた。たい平さんは、『笑点』のメンバーで一番の若手なのに、51歳だとか。中堅の彼はこれからの落語発展のために尽力している。その一つとしてこの『親子落語会』があるようだ。落語を通して子どもの想像力を育てたいとのこと。親子が隣同士で座ることによって、子どもは親の横で親の笑い声を感じてほしいし、親は子どもの笑うところで子どもの成長を確かめてほしいとも。最後に子どもたちに、「平和」「いじめ撲滅」「地球環境」についてのメッセージを送ったたい平さんは、どこまでも爽やかだった。

Report157 「落語家 林家たい平さんの試み」 大橋正枝

「 落語は想像力が大切なんです」という林家たい平さん。手ぬぐいが焼き芋になったりポテトチップスの袋になったり。
開演前、落語って何?どんなことが起こるのかな?と思っているのでしょうか、子ども向け公演にも関わらず皆静かに席についていました。
日頃、時代劇にも馴染みがなさそうな子どもたちが、どんな景色を想像しながら落語を聞くのか心配していましたが、たい平さんの七変化に両手を叩いて笑っている姿を見てほっとしました。太神楽の芸ではキャラクターショーにも劣らない歓声が響き渡っていました。親にもたれかかって聞いている子どももいて、みんなリラックスして楽しんでいる様子でした。
たい平さんの「落語によって子どもの想像力を養い、親子のコミュニケーションを豊かにする」という試みは大成功だったのではないでしょうか。
親子落語会の子どもたちを見て、これからの落語の未来は明るい、と思ったのでした。


【FORUM PRESSレポーター】「茂木大輔と宮本益光の生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2016年5月8日(日)に開催された『のだめ音楽会』のレポートです。

Report147 魔笛の魔法にかけられて 野口 颯一朗

のだめ音楽会10周年を記念して、春日井で3公演連続で開催されたコンサートも今回で最終回。指揮者の茂木さんが今まで温めてきたオペラ『魔笛』の企画に、オペラ歌手の宮本益光さんが構成・解説というまさに最強のコンビが生み出した素晴らしい公演でした。
まず、色鮮やかなパパゲーノの衣装を着た宮本さんが客席から「オイラは鳥刺し」を歌いながら登場。ドイツ語の歌詞と日本語訳はのだめ音楽会お得意のスクリーン投影で見ることができ、歌の合間には宮本さんによる解説もあるので、まったくオペラがわからない僕でも物語に入り込むことができました。もちろん演出だけではなく歌も素晴らしく、特にこの『魔笛』の中でも有名な『夜の女王のアリア』の高音の迫力には鳥肌が立ちました。
茂木さんと宮本さんの音楽の魔法にかけられたあっという間の2時間半。僕が今まで抱いていた、オペラって少し難しいかも…という先入観が吹き飛んだ楽しいコンサートでした。またこのようなオペラの企画に期待です!

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Report148 「オペラを一緒に楽しもう!」 かつみ I

愛知を代表する3つのオーケストラが演奏した3連続公演の最終回を飾ったのは、名古屋フィルハーモニー交響楽団です。プログラムはオペラ『魔笛』。パパゲーノ役を演じたオペラ歌手・宮本益光さんは、漫画家・二ノ宮知子先生に『のだめカンタービレ番外編』の漫画を描く段階から相談を受けていたそうです。今回の舞台構成も担当され、「やっと今日にこぎつけた」と言われるほど。黄色い鳥がちょこんとのった帽子を被り、客席中央から歌いながらの登場です。パミーナ姫との二重唱は低いバリトンと高いソプラノの声が美しく調和し、「♪人は神の高みにまで至る」という歌詞そのままに、崇高に響いてきました。宮本氏が「モーツァルトの力を借りながら一緒に楽しもう」と言われた通り、可愛らしい鈴の音に合わせて観ている私達も一緒になって体操をしたり、指揮者の茂木大輔氏を「モーギー!」と皆で呼んだり。客席全体がメルヘンの世界にぐっと引き込まれていました。

Report149 「『のだめ音楽会』こそが楽しい魔法の笛」 のぐちりえ

「ソラシドレ♪」鳥の鳴き声を模したパンフルートの明るく軽やかな音が響き、そして軽快なトークで会場が沸く。
モーツァルトが当時“貴族”ではなく“民衆”に楽しんで観てもらうために作ったとされるオペラ『魔笛』。今回の『のだめ音楽会』はその『魔笛』を、黒い薔薇歌劇団主宰のオペラ歌手・宮本益光さんがカラフルな『鳥刺しのパパゲーノ』に扮し、ダイジェストで解説してくださいました。
これがおやじギャグ入りで、面白いし楽しい。きっちり解説し、他の歌手の方と主な曲を力強く歌いつつも、『魔法の鈴』の音(チェレスタ)に合わせて、観客と一緒にメタボ解消体操をしたりと、まさに“民衆”のための音楽会という感じでした。
ダイジェストでこれだけ面白いのですから、どうせなら全編観たい!と思うのは自然の流れ。是非とも春日井で黒い薔薇歌劇団による『魔笛』全幕を実現していただきたいです!

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Report150 「クラシック音楽の魔法にかかった私」 與後玲子

今回の公演は春日井での「のだめ音楽会10周年記念3大オケ公演」のトリとして名フィルの生演奏で開催されました。前半は「アンコールオペラ編」でモーツァルト歌劇『魔笛』。後半はベートーヴェン『交響曲第7番イ長調作品92』。『魔笛』は、のだめに登場する白い薔薇歌劇団を模して、黒い薔薇歌劇団を結成したオペラ歌手の宮本益光氏自身が監修、出演された本当に楽しいオペラでした。私にとってクラシック音楽は、高尚でハードルが高いものでした。しかし、のだめが今も愛され続けているのは、クラッシック音楽という文化が、漫画の力を借りて現代にわかりやすく、楽しく表現されているから?音楽は、人の生活、心の葛藤等から生まれ、全身全霊を込めて演奏されます。だからこそ、人は音楽により救われ癒され感動するのだと思います。私自身、後半で演奏された、『交響曲第7番』から繰り出されるリズミカルかつ熱狂的なフィナーレに、心がふるえ浄化されたような気がいたしました。

Report151 満員御礼の『のだめ』フィナーレ!! 前島恭子

なんという贅沢! モーツァルトの歌劇『魔笛』(黒い薔薇バージョン)と、ベートーヴェン『交響曲第7番』全曲という大作2本立ての演奏会なんて……!! 2006年1月29日が初演の『のだめカンタービレの音楽会』。そこから始まった10年の集大成が、この極めつけの贅沢になったのだと感動しました。
『魔笛』―歌手の皆さんの声ののびやかで素晴らしかったこと! そして“魔法の鈴”のダンスのコミカルで可愛かったこと! 原作コミックの映像も楽しくて、「歌劇ってちょっとハードルが高いかも……」と思っていたのが「この『魔笛』、一度、全幕とおして観てみたい」に変わってしまいました。
『ベト7』は1時間もかかる大曲なのに、演奏と、タイミングよくはさまれる映像や説明のおかげもあって、長さをまったく感じませんでした。これだけ聴かせる茂木さんも名古屋フィルハーモニー交響楽団もスゴい! そしてそれを支えるスタッフもスゴい!
いつか“同窓会バージョン”(?)でまたお会いできたらいいな!