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2017年6月の記事一覧


【FORUM PRESSレポーター】秋川雅史さんと共演!市民合唱団「コール・アモーレ」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2017年6月4日(日)開催の「秋川雅史コンサート」で秋川雅史さんと共演した市民合唱団『コール・アモーレ』。
本番まで、約2か月にわたって練習が続けられました。その練習風景と、参加者の声を、3人のレポーターが紹介します。

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@文化フォーラム春日井・視聴覚ホール

Report215 合唱団の成長ぶりにびっくり!本番にふくらむ期待 紀瑠美 icon_kinorumi

5月9日(火)、5回目の練習会で、市民合唱団が歌っていると、秋川雅史さんが入室されました。「人数に圧倒されています」と秋川さん。公募で集まった94名の歌声は、5回目の練習とは思えないほどすばらしい響きでした。
「94人の声がちょっとずつ違うからいい。合唱の醍醐味は響きをそろえていくことです。しかし、0.01秒まで言葉の頭がそろっても合唱にはなりません。ずれが大切です。自分の声の良さを表現しましょう」団員の熱い視線に応え、秋川さんの指導が始まりました。呼吸法、気持ちの込め方など実演を交えての説明に団員たちは目を輝かせていました。秋川さんに「すばらしい!」と褒められながら練習するうちに、どんどん良くなっていきました。秋川さんの生の声に感動したり、おもしろいトークに笑ったりする場面もありました。秋川さんの歌と合わせて全体を通すのは、本番当日。楽しみです。「『歌は生涯、上達できると思っている』という秋川さんの言葉に励まされた」「感情を込めて歌いたい」「ドキドキした。格好良かった。秋川さんをますます好きになった」と、練習後に合唱団の先生や団員は話してくれました。
翌週5月16日(火)6回目の練習会では、上達ぶりにびっくりしました。それぞれ自宅で練習を重ねているのでしょう。練習会では、合唱団の先生が根気強く丁寧に指導していきました。団員の先生への信頼感が伝わってきました。参加理由も合唱経験歴も様々な団員たちは、一つの目標に向かってまとまっていました。合唱曲は『千の風になって』と『あすという日が』。本番でどのような合唱を聴かせてもらえるのか、期待がふくらみます。

Report216 ちょこっとインタビュー かつみ I

「合唱の経験がない初心者でもOKだったので」と、初めて市民合唱団に参加の呑海(どんかい)さん。「大人数でワクワクしている」そうです。圧倒的に女性が多い中、数少ない男性の早川さんは「先生が優しくて熱心に指導して下さる。恵まれている」と一生懸命なご様子。小学生の時から合唱を続けてきたという熊谷さんは「まだまだ勉強。シニアになっても何年経っても歌っていける」と。お3方とも秋川雅史さんと一緒の舞台に立つことを、とても楽しみにされています。合唱練習では稲田真由美先生が「100人のフォルティッシモ、100人のピアニッシモをお客さんに伝えたい」と、にこやかなお顔でもキリッと指導されていました。「練習したことを出せるように」(呑海さん)、「一人よがりにならず皆に合わせて」(早川さん)、「笑顔で自分も楽しく」(熊谷さん)と本番への抱負を語ってくれました。近づくコンサートに向けて、皆さんの気持ちが歌声とともに、力強く高まっていくのを感じました。

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Report217 熱気充満 市民合唱団「コール・アモーレ」 こじまみつこ

5月16日(火)、「秋川雅史コンサート」で秋川雅史さんと歌う市民合唱団「コール・アモーレ」の6回目の練習を見学しました。「コール・アモーレ」は10代から80代までの94人が参加する市民合唱団です。練習の前に3人の方へインタビューをしました。皆さん歌うことが大好きで、そして「秋川雅史さんと一緒に歌えるなんてこんな幸せはない」と嬉しそう。
指導は稲田真由美先生、ピアノは柴香織先生。前回の練習では、秋川雅史さんが直接指導されたこともあって皆さん元気一杯です。
始めに稲田先生が「歌う=聴くということ。他の人への思いが大切」と心構えを話されました。
「今生きていること、一生懸命生きること、なんてすばらしい」これは『明日という日が』の歌詞の1節です。自分や周りの人への応援歌として聞こえてきました。『千の風になって』とともに、今を生きる私たちへの応援歌です。
聞いている私も「コール・アモーレ」の熱気に包まれて体が熱くなってきました。歌うことで気持ちを伝えるすばらしさを感じます。そして、歌い終わった「コール・アモーレ」の皆さんに盛大な拍手を送りたくなりました。


【FORUM PRESSレポーター】第207回 昼コン「春の日は過ぎ行く」


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2017年5月13日(土)に開催した第207回 昼コン「春の日は過ぎゆく」のレポートです。

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@文化フォーラム春日井・交流アトリウム

Report212 弦楽器で奏でる季節の移ろい…春から夏へ 與後玲子

『昼コン・夜コン』は出演者のおしゃべりを交え、音楽が身近に、日常の一部になることを願って続けられている無料コンサートです。私は、芸術に疎い生活を送ってきたので、音楽という扉を開けるには絶好の催し物でした。5月13日(土)の昼コン『春の日は過ぎゆく』では、『サラマンカホール・レジデント・カルテット』が登場しました。美しい4人の演奏者が登場するだけで観客は舞台に集中。曲を紹介する彼女たちのおしゃべりも、初々しく爽やかです。しかし、曲が始まると打って変わり饒舌な芸術家に変貌。1曲目は、まどろむ春のめざめをイメージする、エルガーの『愛の挨拶』。美しい弦楽器のメロディーが優しく私たちを包みます。そして、春の躍動感溢れるクライスラーの『愛の喜び』。やがて夏をむかえようとする激しくかつ哀愁のこもった、ピアソラ『リベルタンゴ』を弦楽四重奏で味わえる楽しさ。 続いてベートーヴェン、大河ドラマ『真田丸のテーマ』へと、コンサートの名に相応しい選曲で終演。
すばらしい曲をつむぎ出す4人の、曲のすばらしさをいかに伝えるかに集中し演奏する真摯な姿勢にさらに、感動しました。

Report213 ステージも会場も春満開! 川島寿美枝 icon_kawashima

走り梅雨のようなあいにくの天気の午後。昼コンのステージに、『サラマンカホール・レジデント・カルテット』の4人の女性アーティストが登場すると、会場は大きな拍手に包まれ、一段と華やかになりました。
「春の日は過ぎゆく」というテーマで、寒い冬から解放され、春を謳歌する軽快なリズムの曲から、春の午後の日差しの暖かさに身を任せているような優しいメロディーまで、プログラムの構成と演奏のすばらしさに魅了されました。ラストの『真田丸のテーマ』や、アンコールの日本の四季をテーマにしたなじみ深い唱歌のメドレーに観客も私も酔いしれました。
終演後、4人にインタビューをさせていただきました。「ステージ上であがったりはしないのですか?」という質問に「あがりますが、観客の皆さんに良い演奏をお届けしたいという思いが強いです」との言葉に、プロ意識の強さをしみじみと感じました。

Report214 優雅で心が落ちつく雨あがりの午後 中林由紀江

「カルテットとは弦楽四重奏のこと」だと始めて知ったくらいの超初心者の私には、舞台上の四人の淑女たちの笑顔が、とても眩しく見えました。が、敷居を高く感じていた不安は、すぐに消えました。音楽が最初はさりげなく始まって心をノックされ、その後ぐっと惹きつけられました。題名は知らなくても聴いたことがあり親近感のある曲の数々。音楽もすばらしいのですが、合間の話がとても聞きやすく、音楽室の絵でしか馴染みのない大作曲家についても、わかりやすくお話をしてくださいました。アンコールの「日本の唄メドレー」は懐かしく心の奥まで染み渡り気づけば涙ぐんでいました。
演奏後にチェロの紫竹さんが、「音楽の楽しさやすばらしさを、どうしたら伝えられるかと考えて演奏しています。そして音楽をやれる幸せを感じています」と話された満面の笑顔が忘れられません。彼女たちの目的どおり、その気持ちは直球で心地良く私たちに伝わってきました。優しい気持ちでしばらくは過ごせそうです。

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【FORUM PRESSレポーター】
愛知県美術館サテライト展示 特別展「熊谷守一展」~木村定三コレクションより~


FORUM PRESSレポーターによる「わたしレポート」。
2017年4月22日~5月14日に開催した特別展「熊谷守一展」のレポートです。
FORUM PRESSvol.80にもレポートを掲載しています。コチラ(PDF)からご覧ください。

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@文化フォーラム春日井・ギャラリー

Report207 熊谷画伯は仙人のようです こじま みつこ

春日井市の文化・スポーツ都市宣言記念事業の第一弾として、4月22日より文化フォーラム春日井にて、『特別展 熊谷守一展』が始まりました。開会式に続いて愛知県美術館の副館長・古田浩俊氏が、「熊谷守一のコレクター木村定三氏について」「作品を委託された愛知県美術館について」そして「熊谷守一氏自身について」を講演されました。
写実主義から流れるような線の表現主義、そして独自の様式へ。余計なものを一切省いて単純化した生き物や植物たちは、まるで俗世を離れた仙郷の住人たちのように感じられます。老年の熊谷氏も長いあごひげの仙人そのものです。写生の心得として「観察している間に対象物がぱっと消えなければならない」なんてやっぱり仙人の言葉です。
単純にもかかわらず生命感に溢れているからなのでしょう。描かれた生き物たちをジッと見ていると、怒っている様子の『猫』には背中を丸くして「フウッ」と威嚇したくなるし、この世の憂いなしとばかりにまどろむ『白猫』は、撫でて抱っこしたくなる気持ちが抑えられませんでした。

Report208 満ちた空白 ― 熊谷守一展 マエジマ キョウコ  repo_maezima_icon

『特別展 熊谷守一展』の初日だった4月22日、愛知県美術館副館長・古田浩俊氏による開会記念講演会「愛知県美術館、木村定三、そして熊谷守一」が催されました。出会ったとき、木村定三は20代、熊谷守一は58歳。歳の離れたふたりがどう親交を深めたか、木村定三と愛知県美術館とがどう関わってきたか ……。人の縁の不思議さを感じさせるお話でした。
講演会を聴いて書も見たくなり、春日井市道風記念館に行きました。そこで観た書は「言葉の意味がそのまま書になっている」と言えば伝わるでしょうか。守一が、身の回りのものを見て、感じたままが書として表現されているのです。心打たれました!
「満ちた空白」。熊谷守一の作品を観ていたら、そんな言葉が浮びました。「モリカズ様式」で描かれた絵画は、力強い輪郭に囲まれた面で構成されていますが、その面が単なる平面でなく、しっかりと質感を持っています。書もまた、余白が充実しているというか、みっしりと心に迫ってきます。
とても心に残る特別展でした。

Report209 ほっとできます 熊谷守一展 いいさかかおる

熊谷守一の『白猫』は猫が気持ちよさそうに寝転んでいる絵です。たった2色で単純ですが、きちんと描かれています。その凛とした姿に、守一の「生き物は人間と違って、ウソをいわないからカワイイと思う。人間のほうは、ものこころつくと、ウソをつくからイヤになってしまうんです」。という言葉を感じる絵でした。
今回の『特別展 熊谷守一展』は愛知県美術館のサテライト展示として開催されました。「書のまち春日井」の守一展だけあって、春日井市道風記念館では守一の書作品の展示がありました。4月22日の開会式典では伊藤太春日井市長から「春日井市は文化・スポーツ都市宣言をした。書のまち春日井を、絵も楽しめる文化都市にしていきたい」とお話されました。同日には開会記念講演会もあり、愛知県美術館副館長の古田浩俊氏が、愛知県美術館の木村定三コレクションなどについて講演されました。
心が癒される、ほっとできる『熊谷守一展』でした。